妊娠・出産には何かとお金がかかりますが、国や自治体、健康保険からもらえるお金や、負担が軽くなる制度がいくつもあります。ただし、多くは自分で申請しないと受け取れません。
この記事では、妊娠・出産・育児でもらえるお金を、申請の時期と手続き先とあわせて一覧にまとめました(2026年10月時点の情報です)。
もらえるお金・使える制度の一覧
| 制度 | 内容 | 対象 | 手続き先 |
|---|---|---|---|
| 妊婦健診の公費助成 | 健診費用の一部を助成 | 妊婦全員 | 市区町村(妊娠届で受診券を受け取る) |
| 妊婦のための支援給付 | 妊娠時5万円+出産後に子どもの数×5万円 | 妊婦全員 | 市区町村 |
| 出産育児一時金 | 1児につき原則50万円 | 健康保険の加入者・被扶養者 | 加入している健康保険 |
| 出産手当金 | 産休中の給与の約3分の2 | 勤務先の健康保険に加入している本人 | 勤務先・健康保険 |
| 育児休業給付金 | 育休中に休業前賃金の67%(181日目以降は50%) | 雇用保険の加入者 | 勤務先・ハローワーク |
| 出生後休業支援給付金 | 育児休業給付金に13%を上乗せ(最大28日) | 条件を満たす両親 | 勤務先・ハローワーク |
| 社会保険料の免除 | 産休・育休中の健康保険・厚生年金保険料が免除 | 勤務先の社会保険の加入者 | 勤務先 |
| 児童手当 | 3歳未満は月1万5,000円(第3子以降は3万円) | 子どもを育てる家庭 | 市区町村 |
| 子どもの医療費助成 | 子どもの医療費の自己負担を助成 | 自治体による | 市区町村 |
| 医療費控除 | 年間の医療費が一定額を超えると税金が戻る | 確定申告をする人 | 税務署 |
それぞれ順番に見ていきましょう。
妊娠中にもらえるお金
妊婦健診の公費助成
妊娠届を市区町村に出すと、母子健康手帳と一緒に妊婦健診の受診券(補助券)が渡されます。健診費用の多くがこの受診券でまかなわれますが、助成の範囲を超える検査などは自己負担になることがあります。
妊婦のための支援給付(5万円+5万円)
国の制度で、妊娠が確認されて申請した後に5万円、出産予定日の8週間前以降に子どもの人数を届け出ると、子ども1人につき5万円が支給されます。所得制限はありません。申請には保健師などとの面談がセットになっています。
詳しい申請の流れは、別記事「妊婦のための支援給付はいつもらえる?」で解説しています。
出産のときにもらえるお金
出産育児一時金(原則50万円)
健康保険に加入している人や、その被扶養者が出産したときに、1児につき原則50万円が支給されます。産科医療補償制度に加入していない医療機関での出産などは、48万8,000円になります。
多くの病院では「直接支払制度」が使えるため、50万円は健康保険から病院に直接支払われ、窓口では差額だけを支払います。出産費用が50万円より少なかった場合は、差額を申請して受け取れます。
なお、正常分娩の費用を公的医療保険でまかなう「出産費用の無償化」が2026年5月に法律で決まりましたが、施行は2027〜2028年度ごろの見込みです。今妊娠中の人は、現行の出産育児一時金の制度を使うことになります。
出産手当金(会社員・公務員の本人)
勤務先の健康保険に加入しているママが産休を取ると、出産日以前42日(多胎は98日)から出産の翌日以後56日までのうち、仕事を休んだ日について支給されます。1日あたりの金額は、標準報酬日額の3分の2です。
国民健康保険の加入者(自営業・フリーランスなど)や、夫の扶養に入っている人は対象外なので注意しましょう。
育休中にもらえるお金
育児休業給付金
雇用保険に加入している人が育休を取ると、休業開始から180日までは休業前賃金の67%、181日目以降は50%が支給されます。パパも対象です。
出生後休業支援給付金
子どもの出生直後に、両親がそれぞれ14日以上の育休を取るなどの条件を満たすと、育児休業給付金に13%が上乗せされます(最大28日間)。合わせて給付率は80%になり、育休中は社会保険料が免除され、給付金も非課税のため、手取りでおおむね10割相当になるとされています。配偶者が会社員でない場合などは、条件が緩和されるケースもあります。
社会保険料の免除
産休・育休中は、健康保険と厚生年金の保険料が本人負担分・会社負担分ともに免除されます。免除期間も将来の年金額には反映されるので、損はありません。手続きは勤務先が行うのが一般的です。
生まれた後にもらえるお金
児童手当
2024年10月から所得制限がなくなり、高校生年代まで支給されるようになりました。
| 年齢 | 第1子・第2子 | 第3子以降 |
|---|---|---|
| 3歳未満 | 月1万5,000円 | 月3万円 |
| 3歳〜高校生年代 | 月1万円 | 月3万円 |
支給は偶数月の年6回で、前2か月分がまとめて振り込まれます。
申請は出生日の翌日から15日以内に行いましょう。原則として申請した月の翌月分から支給されるため、申請が遅れるとその分を受け取れなくなります。出生日の翌日から15日以内であれば、申請日が翌月になっても出生の翌月分から受け取れます(15日特例)。
子どもの医療費助成
多くの自治体で、子どもの医療費の自己負担を助成しています。対象年齢や所得制限、自己負担額は自治体によって大きく違うので、出生届と一緒に手続きしておきましょう。赤ちゃんの健康保険証(マイナ保険証)の手続きも必要です。
税金が戻る制度
医療費控除
1年間(1月〜12月)に支払った医療費が、家族の合計で10万円(所得が200万円未満の人は所得の5%)を超えた場合、確定申告で税金の一部が戻ります。妊婦健診の自己負担分や出産費用、通院の交通費なども対象になります。出産育児一時金など補てんされた金額は差し引いて計算します。
高額療養費制度
帝王切開や切迫早産での入院など、健康保険が適用される医療費が高額になった場合、自己負担額が上限を超えた分は払い戻されます。入院が決まったら、事前に「限度額適用認定」の手続きをしておくと(マイナ保険証なら不要な場合もあります)、窓口での支払いを上限額までに抑えられます。
申請のタイミングまとめ
| 時期 | やること |
|---|---|
| 妊娠がわかったら | 妊娠届・妊婦のための支援給付(1回目)の申請 |
| 妊娠中 | 産休・育休の予定を勤務先に相談、直接支払制度の確認 |
| 出産予定日の8週間前以降 | 支援給付(2回目)の届出ができる |
| 出産後14日以内 | 出生届 |
| 出産後15日以内 | 児童手当の申請、子どもの医療費助成・保険証の手続き |
| 産休明け以降 | 出産手当金・育児休業給付金の申請(勤務先経由が多い) |
| 翌年の確定申告 | 医療費控除 |
まとめ
妊娠・出産でもらえるお金は、市区町村・健康保険・勤務先・雇用保険と、手続き先がばらばらです。まずはこの一覧で「自分が対象になるもの」を確認し、期限があるもの(特に児童手当の15日以内)から手続きを進めましょう。
制度の内容は改正されることがあります。最新の情報や細かい条件は、お住まいの市区町村、加入している健康保険、勤務先、こども家庭庁・厚生労働省のサイトで必ず確認してください。
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※この記事は2026年10月時点の情報をもとに作成しています。
